生薬は天産物であるため、同一生薬(基原生物種が同じであっても)でも形状が一定でない場合がしばしばあり、更に産地又は調製法が異なったり基原が複数種にわたる場合であれば、同一名の生薬であっても形状が異なるのは当然といえる。ここでは、その生薬の品質及び流通性を考慮して代表的なものを決め、これについて性状記載がなされていることを示している。ただし、規定基原が複数であっても、その全ての基原に基づく生薬について性状を一括又は区分して記載することが可能な場合もある。
性状中の数値(長さ、高さ、径、太さ、幅、厚さ)はおよそのものであるので、但し書きとしてその扱いに注意を喚起している。現実的には、参考とする数値から極端に外れる場合は不適格品の疑いが濃厚と考えざるをえない。「鏡検時のものを除き」とは鏡検に基づく数値はその生薬の特徴的要素であるので、ある程度の幅をもって規定されていても判定基準とすることを示す。