ムラサキバレンギク(キク科)
Echinacea purpurea (Asteraceae)

murasakibarengiku

→戻る(2013.8.2;武田薬品工業(株)京都薬用植物園)

【解説】 北米原産で成長すると1mになる多年草。葉は5~12cmの楕円形〜披針形で互生し、葉柄はないものから長いものまでさまざま、縁に小さな鋸歯がまばらにあり、中脈はへこんで葉身は内側にそり返る。花期は7〜10月で、茎頂に頭状花序をつけ、花床は球状にせり上がって赤褐色の筒状花を密につけ、その周りをピンク色の舌状花が取り巻いて下向きにそり返る。北米原住民の伝統薬であったが、免疫力を高める効果があるといわれ、ハーブティーとして人気が高いが、副作用も懸念されているので、安易な使用は控えるべきである。和名の由来である紫馬簾菊は和製漢名で、直立する茎の先端で花冠が下に垂れ下がって咲く姿を馬簾ばれん(江戸時代の火消しが持っていた旗)に見立てた。現在ではラテン属名の音読み“エキナア”とも呼ばれる。hedgehogハリネズミという意の古代ギリシャ語“ἐχῖνος” (ekhînos)に由来し、花の中心に軟らかいトゲがあるからという。種小名はラテン語で“purple”の意であるが、西洋では赤味が強い“Tyrian purple”すなわち赤紫色のことをいう。