シュロ(ヤシ科)
Trachycarpus fortunei (Arecaceae)
中国南部からミャンマー北部まで分布し、わが国では九州南部に自生するといわれる高木。樹幹に残存する葉鞘基部の繊維を棕櫚皮(嘉祐本草)と称し、止血、収斂の効があるとして吐血、鼻血、血便、血尿などに用いる。漢方で用いることはなく、わが国ではもっぱら民間療法で用いる。椶櫚・栟櫚(本草拾遺)、梭櫚(本草和名)、櫚(本草綱目)と表記することもあるが、音はすべて「しゅろ」である。詳細は和漢古典植物名精解第26章第2節を参照。