インド北部から中国、本邦暖地に分布する多年草。根茎を射干ヤカン(神農本草経下品)と称し、扁桃腺炎、咽痛などに消炎、鎮痛、去痰薬とする。万葉集に詠まれる「ぬばたま」(黒や闇にかかる枕詞)は本種の黒い種子を表したもので、本経にある射干の別名烏蒲うぶ(蒲は呉音読み)から本種の黒い丸い玉を「うぶたま」と呼び、「うばたま」を経て「ぬばたま」に訛ったと推定される。