サトウヤシ(ヤシ科)
Arenga pinnata (Arecaceae)

東南アジアの熱帯雨林原産の中型ヤシで、長さ5〜10メートルになる羽状複葉を樹端につけ、大きな個体は樹高20メートルになる。雌雄同株、一回結実性、開花結実年数7〜8年の後に生殖成長が可能となる。インドネシアではEnauエナウと呼ぶ。樹液に糖分が多く含まれるので花序の花柄を切断して集めヤシ糖が生産される。樹液を発酵させて作った飲料をインドネシアではTuakトゥアクと称し、ローカルマーケットで瓶詰めにして販売される(→画像)が、コップ一杯を試飲したところ、火落ちのためか頭痛をおぼえた。砂糖やヤシ酒を作るために広く植える。 果実の胚乳をKolangコラン Kalingカリンと称し、味覚はほとんどないが、食感が好まれるので食用とされる。樹葉柄の元にある繊維・葉柄網や葉軸も工芸用に利用される。

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→戻る(1988.8.7;インドネシア東ヌサテンガラ州フローレス島バジャワ)