タマリロ(ナス科)
Solanum betaceum (Solanaceae)

南米アンデス山脈のペルー、エクアドル、ボリビア、コロンビア、チリ、アルゼンチンに原産する低木。成長が速く最大5mに達するが、寿命は5〜12年ほどで短命。樹幹は直立して多くの枝を側生し、花、果実は側枝にぶら下がるようにつく。葉は大きな単葉で心形、ほぼ全縁で長い葉柄があり、細かい白毛が密生し、強い刺激性の匂いがある。花はわずかにピンクを帯びた白色で10〜50個がクラスターとなって咲くが、果実として結ぶのは1クラスター当たり1〜6個である。自家受粉でも結実するが、花には芳香があって多くの昆虫を引き寄せ、他家受粉によって結実が促進される。根張りが浅いので干ばつや風の影響を受けやすい。タマリロ(tamarillo)は主として英語圏での名称であり、コダチトマト(tree tomato)の別名もよく用いられる。インドネシアではTerungテルン belandaベランダと呼ぶが、オランダナスの意であり、植民地時代に伝えられた。

tamarillo

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