花の構造については既に述べたが、もっとも重要な器官はおしべ(雄ずい)とめしべ(雌ずい)であり、一つの花にこの両方を有するものを両性花(完全花)という。いずれか一方をもつものを単性花といい、おしべだけのものを雄花、めしべだけのものを雌花といい、これらを不完全花という。いわゆる花に見えるもので、おしべもめしべもないものもあるが、これを装飾花(無性花または不稔花ともいう)という。アジサイの花で花と見えるものは実は装飾花であり、園芸種は全て装飾花だけからなる(→ヤマアジサイ参照)。
単性花をもつ植物には雄花と雌花を同一の株につける雌雄同株と、どちらか一方のみをつける雌雄異株がある。また、同一株に両性花と雄花、雌花をつけるもの、両性花と雌雄花のどちらか一方をつけるものも自然界には存在する。