本サイト開設の目的の一つは、身近な野生植物を広く紹介することです。私たちの生活空間のいたるところに多くの植物が野生あるいは植栽されています。よほど植物に興味のある方を除けば、普段は身近な植物の存在を意識することは少ないと思います。しかし、初春の新緑や晩秋の紅葉の時期になりますと、ほとんどの人は植物の存在を身近に感じるはずです。しかし、身近にある植物で名前を知っているのはいくつあるでしょうか?本サイトはこのような身近にある植物をしらみつぶしに収録し、写真画像とともに簡単な説明をつけて一般に紹介するものです。今回の更新で本サイト収録の植物総数は738種(2024年1月1日現在)になります。外来の帰化植物も含めてありますので、造成地の荒地、路傍から里山、河原、畑地、水田に生える植物の多くはここに収録されているはずです。時として植物の説明の中に難しい漢名や和名の古名も含まれることがありますが、中国本草など古典植物書より引用したもので、ルビを付してなるべく読みやすくしてあります。ただし、UTFをサポートしない古いブラウザーでは正しく表示できませんのでご注意ください。
本サイト製作者は大学の研究室(帝京大学薬学部)で薬用植物を研究していたこともあって、各植物の解説ではそれぞれの薬用情報も含めてあります。身近な植物には随分と多くのものが薬用に供されている(あるいは供されてきた)ことがわかるはずです。時には、山菜などとの誤認による中毒事故も新聞などで報道されますが、そのため特に気をつけねばならない有毒植物も別にリストアップしてあります。最近では、一般の方々の間で薬用植物に関する関心が高く、オープンキャンパスなどでも多くの方が薬用植物園の見学を希望されました。但し、各植物は開花期、結実期がばらばらですので、ご来訪された時に全てを見ることができるわけではありません。本サイトでは電子薬用植物図鑑として、主な生薬、漢方薬あるいは製薬の原料となる薬用植物393種を収録してネット上に提供しておりますますので、その全貌を見ることができます。今後は更に多くの薬用植物の収録に努めるとともに、化学成分事典などを更に充実させ専門家に対しても有用な情報を提供していきたいと思っています。平成16年5月23日より沖縄県西表島の野生植物写真を収録し、現在では277種まで増録しました。沖縄を旅行したことのある方は当地の身近な植物が本土とはかなり違う亜熱帯植物であることをご存知かと思いますが、それらがどういう名前の植物か悩まれたことと思います。このオンライン写真集がその手助けになればと思います。
最後に、本サイト製作者の研究と研究室の紹介ページもつけました。研究の紹介では相当専門的な記述があり、一般の方には分かりにくいかと思いますが、一方で学術調査での写真資料をスライドショーとして提供していますので楽しめると思います。現在、全てを公開しているわけではありませんが、準備出来次第公開していきたいと思います。また、本サイトには製作者の帝京大学(薬学部・理工学部および東京学芸大学)での授業資料も掲載し、ネットを通して学生に配布してきましたが、定年退職後の今もすべて残してあります。
→ホーム