ホタルブクロとヤマホタルブクロは形態が酷似するが、両種は萼片の形態によって区別されている。ホタルブクロは萼片の湾入部に反り返った付属体があるのに対して、ヤマホタルブクロでは付属体がなく突起状にふくらんでおり、両者の形態上の差ははっきりしている。ホタルブクロは花冠が白いものが多く、一方、ヤマホタルブクロはほとんど赤紫色なので、一般の間では花冠の色で区別できると勘違いされることが多い。実際には、ホタルブクロでも赤紫色のものも多いので花冠の色で両種を区別することはできない。種としての住み分けに関しては、ホタルブクロは平地から丘陵帯、ヤマホタルブクロは山地に多く見られるが、両種が混在することも多いので、これもあてにならない。結局、前述したように萼片の形態の差異に頼るしかない。