本州、四国、九州の山野の林縁に生えるつる性落葉藤本。葉は羽状複葉で、小葉は卵形で3~5個つく。花期5~6月で、若枝の先に直径7~12㎝の大きな花を1個つく。花弁はなく、花弁のように見えるのは萼片で、普通は8枚、花柄は長さ4~10㎝。名は花を風車に見立てた。文献上の初見は松江重頼編「毛吹草」(1645年)で、巻五に宗房による「手車と なるや折取 かざ車」に夏の季語(旧暦であることに留意)として詠まれた句が一首収載されている。宗房といえば重頼と由縁の深い松尾宗房すなわち芭蕉が思い浮かぶが、芭蕉がその名で詠んだ句が登場するのはずっと後の「佐夜中山集」であるから別人のようである。伊藤伊兵衛政武著「花壇地錦抄」(1695年)にも風車の名が載るので江戸時代から園芸用に栽培されていた。