ナツヅタ(ブドウ科)
Parthenocissus tricuspidata (Vitaceae)

本邦各地の山野に生える落葉藤本。葉は互生し、卵形で3中~全裂するのが普通。花期は6~7月で、花は目立たない。壁や塀にはわせて観賞用とする。単にツタとも称する。ツタの名は「伝う」に由来し、木や壁に這い登ること性質に対して名付けられたものであろう。漢名を千歳蘽センザイルイと称する。つるより得られる千歳蘽汁は甘く、わが国では甘葛あまづらと称して甘味料として利用した。枕草子の「あてなるもの」に「削氷けづりひのあまづら入れて、あたらしき金鋺かなまりに入れたる」と出てくる。詳細は和漢古典植物名精解496頁を参照。

natsudzuta

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