ホソバワダン(キク科)
Crepidiastrum lanceolatum (Asteraceae)

本州では島根・山口両県、四国、九州から南西諸島の海岸地帯の岩場などに生える多年草。国外では朝鮮半島南部と中国にも分布する。根出葉はロゼット状となり、さじ状長楕円形〜線状長楕円形で鈍頭、全縁と不規則に羽状に深裂する2形がある。基部から茎を多く出してしばしば木質化する。側枝の先に黄色の頭花を散房状につける。花期は10〜11月。沖縄では葉をニガナと称して食用にする。漢字で細葉海菜と表すことがある。万葉集に「わたの底 しづく白玉 風吹きて 海は荒るとも 取らずはやまじ」(7-1317)と詠まれるように、海の古語を“わた”または“わだ”というので、海菜は“わだな”となり訛ってワダンとなったといわれる。

hosobawadan

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