中部地方以西の山野の林内に生える多年草で、ユーラシアに産する母種Hepatica nobilisの固有変種に分類されている。葉は3浅裂する三角形で、長い柄をもつ。和名は三角草で各裂片の先が尖っていることに由来する。花期は3〜4月はじめで、地下茎から長い花茎を出して頂端に1つの花をつける。花色は白色から薄い青・紫・赤など生育地によって異なる。葉先の丸いものをスハマソウ(洲浜草、葉の形を海辺の洲浜に見立てたという)と称し、ミスミソウの品種forma variegataとして区別されている。わが国では江戸時代から園芸用に栽培され、八重咲きや覆輪花の品種が作出されている。伊藤伊兵衛政武撰著・自画「地錦抄附録」(1733年)に須浜草と三角草が収録され、挿絵がいずれも八重咲きとなっていることから知られる。