奄美諸島以南の亜熱帯、熱帯の海岸に生える小高木。繁殖力は旺盛で、マングローブの後背地などにも生え、太い枝から支柱根を出して広がるので、防潮、防砂として重要である。細長い披針形の葉は革質で鋭い鋸歯があり、触れると痛い。花期は主として夏(西表島では3月でも開花するが)。雌雄異株で、雄花序は長さ20~25センチ、数枚の黄白色の葉状の総苞に包まれ、長さ4~5センチの肉穂花序が5~7個つく(写真)。雌花序は雄花序のように垂れず、主幹の先について頭状~楕円状の肉穂花序が10数枚の白い総苞を伴って上向きにつく(円内写真左)が、茎先にトゲの多い葉で包まれているので見つかりにくい。パイナップル様の集合果(円内右写真)は赤熟すると食べられるが、繊維質が多く食感はあまりよくない。一方、芯芽は珍味とされ沖縄料理では高級食材とされる。