クロツグ(ヤシ科)
Arenga ryukyuensis (Arecaceae)

奄美諸島以南の南西諸島の低地林内に生える常緑小高木。葉は長さ3メートルに達する羽状複葉で1メートルほどの葉柄がある。線形の小葉は20-40対以上ある。花期はほぼ周年、葉腋から大型の円錐花序(穂状花序の集合体)を下垂し、橙色のカプセル状のつぼみを花軸上に密生、開花時に3つに裂開して強烈な匂いを発し、多くの虫を引き寄せる。核果は直径1~1.5センチの球形で、橙赤色に熟す。かつて八重山諸島産をコミノクロツグと区別されていたが、現在では区別しない。ただし、フィリピン産のA. tremula、台湾産のA. engleriと同種あるいはその変種とする見解があり、学名は混乱している。ここでは南西諸島産を独立種とするYListに従っておく。

kurotsugu

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