化合物和名:アビエチン酸 (Abietic acid)
骨 格 名:ジテルペン
生合成経路:イソプレノイド

 アカマツ(Pinus densiflora)ほかマツ科同属各種の松脂に含まれる樹脂酸の一つで、アビエタン系ジテルペン骨格を有する。松脂を水蒸気蒸留して精油成分を除いた残留物(ロジン)の80%以上は樹脂酸であるが、その60~70%は本物質である。本物質は松脂の本来の成分ではなく、ピマール酸(Pimaric acid)などから処理過程で二次的に生成したものである。合成ゴムの乳化剤、接着剤、ニスや印刷用インク原料として広く使われているが、天然資源的に豊富なので、今後、更に有効利用が期待され、製薬原料としても有望視されている。

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