化合物和名:セファロタキシン (Cephalotaxine)
骨 格 名:セファロタキサン
生合成経路:アミノ酸

 イチイ科イヌガヤ(Cephalotaxus harringtonia var. harringtonia)ほか同属各種に含まれるアルカロイドの一つ。生合成経路に関しては、2分子のフェニルアラニンあるいはチロシンからフェネチルテトラヒドロイソキノリンを生成し、Erythrina alkaloidsと似た経路で生成すると考えられている。セファロタキシン類縁体はいずれも抗腫瘍作用が報告され、海外では抗腫瘍薬の開発研究が活発であるが、わが国では低調である。2012年、米国FDAはイヌガヤの微量成分ハリントニン(Harringtonine)を、2つ以上のチロシンキナーゼ阻害剤への耐性あるいは非忍容性を示す慢性期または移行期の慢性骨髄性白血病患者の治療薬として条件付きながら認可した(商標名:Omacetaxine mepesuccinate)。セファロタキサン環部は天然物、側鎖残基は合成で調製することにより、天然では極微量のハリントニンを半合成で供給している。

cephalotaxine