本州、四国、九州の山地に生える常緑小高木。葉は線形で、一見カヤに似るが、柔らかくさわっても痛くない。花期3~4月。樹皮は暗褐色で縦に浅くはがれる。花は葉腋に球状につく。名は犬榧で、カヤに似ているが役に立たないとして名付けられた。本種を含む同属植物はセファロタキシンほかセファロタキサン骨格をもつアルカロイドを含み、その中には抗腫瘍作用の認められるものもある。実際、本種の微量アルカロイド成分ハリントニンは白血病の治療薬として米国で条件付きながら認可されている。