シソ科ヒキオコシ(Isodon japonicus)ほか同属各種の全草(延命草)に含まれる変形カウラン系ジテルペン。カウランのB環の6位と7位の結合が切断されて1位の水酸基と環状エステルとして環化したもの。強い苦味があり、わが国の民間で苦味健胃薬として用いられた。第五改正版局方、国民医薬品集に収載されたが、環状エステルが切断されると苦味が大幅に減弱するので、重曹などの制酸剤に配合できず、追補版で削除された。詳細は歴代日本薬局方収載生薬大事典を参照。ヒキオコシほか近縁植物に含まれる本物質を始めとする類縁成分はマウス腹水癌に対して抗腫瘍作用が報告されている。