身近な存在ではソバに含まれるほか、天然界に広く分布するフラボノール配糖体。マメ科エンジュ(Styphonolobium japonicum)の花蕾をカイカ(槐花)とし古来薬用に供されてきたが、ルチン含量は10~28%に達する。モクセイ科レンギョウ(Forsythia suspensa)にも含まれる。薬理作用として毛細血管収縮作用があり、本物質を多く含む植物は古来より止血薬として用いられてきたが、その作用は一過性である。毛細血管の透過性を抑制する作用(ビタミンP作用)もあり、出血性諸病の予防に用いられてきた。アグリコンをクエルセチンと称するが、一時発癌性が疑われたことがあったが、後に否定された。(→関連ページ)