化合物和名:サリシン (salicin)
骨 格 名: 
生合成経路:シキミ酸

 ヤナギ科ヤナギ(Salix)属各種、バラ科セイヨウナツユキソウ(Filipendura ulmaria)ほかさまざまな植物の樹皮や葉に含まれ、o-ヒドロキシベンジルアルコールのβ-グルコシドである。生合成的にはフェニルプロパノイドから派生するC6-C1化合物の1種。1897年、セイヨウナツユキソウより得られたサリシンからアセチルサリチル酸に誘導され、ドイツのBayerバイエル社が1899年より医薬品として販売を始めたのがAspirinアスピリンである。サリシンの副作用は軽微であるが、少量摂取でもまれに吐き気、嘔吐、発疹、めまい、呼吸困難を起こすことがある。過剰摂取すると腎臓に損傷を与え、胃潰瘍、下痢、出血、消化器系の不快感を引き起こす。喘息、糖尿病、痛風、胃炎、血友病、胃潰瘍を病む人はサリシンの摂取を控えるべきとされ、とりわけ16歳未満の子供、妊娠中および授乳中の女性は禁忌である。以上はアセチルサリチル酸に対しても適用される。

salicin