本邦各地のやや寒冷な山地に生える落葉藤本。花期6~7月。紅熟した果実を五味子と称し、漢方で主として肺腎陽虚による去痰、強壮薬的に用いる。五味子は漢方の要薬であるが、基原植物がわが国に自生することが知られるようになったのは、漢方医学が正規医学としての地位を剥奪された明治時代になってからであり、それまではわが国の山野に普通に野生するサネカズラの果実(南五味子、チョウセンゴミシ基原品を北五味子と区別する)をしばしば代用してきた。成分はシサンドリン(Schizandrine)を始めとするリグナン誘導体を含む。