ハズ(トウダイグサ科)
Croton tiglium (Euphorbiaceae)

東南アジア熱帯を原産とする小高木で、種子を巴豆ハズと称し、峻下剤・催吐剤とする。神農本草経の下品に収載される歴史的薬物であるが、作用が激しいため、現代の漢方ではほとんど用いないが、江戸期まではよく用いられた。例えば、千金せんきん要方ようほう紫圓シエン杏仁キョウニン代赭石タイシャセキ巴豆ハズ赤石脂セキセキシ)は後世方派が幼児向けの瀉下剤として用い、金匱きんき要略ようりゃく三物サンモツ備急丸ビキュウガン大黄ダイオウ乾薑カンキョウ巴豆ハズ)は古方派に好まれた瀉下剤であった。局方では第二国民医薬品集、第七版局方に収載された。発がんプロモーターであるフォルボールエステル(TPA)を含む。

hazu

→戻る(2013.6.27;武田薬品工業(株)京都薬用植物園)