東南アジア原産といわれる常緑低木～小高木。花期５～６月。葉に小さな翼よくがあり、厚味があって卵形〜楕円形で先は鈍頭ないしわずかに凹みがあり、縁はごくわずかに鋸歯状。果実は最大で25 cmになり、形は球形、扁球形、洋梨形など品種ごとに異なる。果皮が厚く、果肉は普通のみかん類と比べて乾燥質（ジューシーさに欠ける）で甘味はそれほど強くないが、酸味がほとんどないので、わが国でも食用に比較的広く栽培される。漢名は香欒コウラン。「本草ほんぞう綱目こうもく」（李時珍りじちん）の「果之二」の柚ユ（ユズ）の条でユズの大きなものを朱欒シュラン、最大のものを香欒と区別するが、今では分類学上で区別せず、ユズとは別系統としている。和名の由来とされる文旦は本種を伝えた中国船の船長の名という（フルネームは謝文旦）。ザボン、ボンタン、ジャボンともいう。