ユズ(ミカン科)
Citrus junos (Citraceae)

中国原産の常緑小高木でわが国の一部地域で野生する。葉腋にトゲがあって葉柄に大きなよくがあり、小さな葉と大きな葉の連節のように見る。これを単身たんしん複葉ふくようと呼んで単葉から複葉への進化の中間形と考える見解もある。花期5~6月、葉の脇から5弁の白い花をつける。果実は酸味が強くて食用に適さないが、香がよく調味賦香料として珍重される。ミカンの仲間としては耐寒性が強く、東北地方まで栽培可能である。ユズは漢名“柚子”の音読み型であるが、本草学におけるは大きな実をつけるブンタン(ザボン)と小さな実をつけるものの二系統があり、後者が今日いうユズに相当する。詳細は拙著「歴代日本薬局方収載生薬大事典」を参照。因みに学名の種小名“junos”は果実の強い酸味から発生した別名「」に由来する。

yuzu

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