スリランカ、インド原産の常緑高木で、賦香料であるシナモンの製造原料植物の一つ。外皮を除いた樹皮を生薬ケイヒ(桂皮)と称し、芳香健胃薬として食欲不振や消化不良に用いられる。漢方では血液循環を促進、気を利すなどの目的で桂枝湯、安中散、桂枝茯苓丸など多くの処方に配合されるが、この目的で用いるケイヒは主にC. cassiaを基原とするものである。成分としてケイヒアルデヒド(cinnamaldehyde)を主成分とする精油に富み、ケイヒ油(賦香料として用いる)の製造原料とする。本種から調製されるものは特にセイロン桂皮と称し、香気、味ともに最高品質の桂皮(シナモン)とされる。樹皮に甘味があるが、その本体はタンニン性のシンナムタンニンである。旧学名はC. zeylanicum。(→主な精油成分;関連ページ)