ドクウツギ(ドクウツギ科)
Coriaria japonica (Coriariaceae)

北海道、近畿以北の本州各地の川岸や山地の礫地に生える落葉低木。葉は3本の葉脈が目立つ単葉で、長さ6〜8cmの卵状長楕円形、先が尖り全縁で波うち、対生する。花期5~6月。短い雄花序と長い雌花序が同じ節から出て、花弁は開花後に肥大して種子状の果実を包む偽核果となる。果期は6〜8月、果実は房状につき、熟すると赤から黒紫色になる。果実に猛毒のセスキテルペン系コリアミルチン(coriamyrtin)が含まれ、激しい痙攣を起こして死に至る。有毒成分は種子状の真正しんせい果実かじつ(偽核果の赤褐色の部分)に局在し、花弁が肥大化して黒紫色となった部分(偽果ぎか)は甘味があって食べられるとの報告があるが、同属他種についてであるので、国産種では未確認である。真正果実・偽果については薬用植物学「果実の分類」を参照。

doku-utsugi

→戻る(実:2004.6.12;花:2004.4.7;帝京大学薬用植物園)