ドリアン(アオイ科)
Durio zibethinus (Malvaceae)

ボルネオ・スマトラ原産の常緑大高木。葉は楕円〜長楕円形で大きい。花は幹生花で樹幹および太い枝から房を為して生ずる(花:画像1、つぼみ:)。花は大きく蜜を多く含み、また強い匂いを醸し出しているのでコウモリに好まれ、その結果、受粉すると考えられている。ドリアンは長い間にわたって取り木(立木の幼枝や若枝の一部から発根させ、または根から発芽させたものを切り取ってクローン繁殖させる方法;英語でlayeringという)のほか、接木などでも繁殖された結果、多くの品種群が発生したため、生産地によって果実の形態や味などに微妙な違いがある。“durian”の名はマレー語のトゲを意味する“duri”に由来し、大きな果実の表面を硬くて大きな突起が覆うが、先は固いがあまり鋭くはない。強烈な匂いはしばしば嫌われ、ホテルや交通機関の車内に持ち込みが禁止されているとしばしばいわれる。欧米系の観光客から嫌われていることは確かだが、現地人のほとんどは寛容である。一方で、その味のすばらしさから“King of fruits”と称えられる二面性ももち、これについては熱帯、亜熱帯の有用植物(1)で詳しく述べる。

dorian

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