カイソウ(キジカクシ科)
Drimia maritima(Asparagaceae)
欧州南部、西アジア、北アフリカ原産の多年草。根を古くから薬用とされ、古代ギリシアのヒポクラテスは水腫、ひきつけ、喘息に用いたといわれる。シラレンAほかブファジエノライド系強心配糖体を含み、古くから利尿剤として水腫の治療に用いられたのはこの成分の存在による。しかし、毒性も強く、欧州では古代から殺鼠剤としてこの植物を利用してきた。若芽をつけた鱗茎を戸外に吊して魔除けとする習慣も古代までさかのぼる。和名は英語名のsea onionを直訳した海葱の音読みである。
→戻る(2011.9.23;星薬科大学薬用植物園)