東海以西の本州、四国、九州の荒地や林縁などの日当たりのよいところにやや稀に生える落葉小低木。国外では朝鮮半島南部、中国〜東南アジアの熱帯、亜熱帯に分布する。葉は5〜7個の小葉からなる奇数羽状複葉で、通例、茎の上部は3小葉になる。小葉に鋸歯縁があって所々に欠刻がある。裏面の主たる葉脈に腺毛があり、時に毛が開出する。また、表面は葉脈に沿って窪み、網状の皺がある。頂小葉は卵形〜披針形で先は尾状に尖って基部は丸い。側小葉および托葉は披針形である。茎は腺毛が密生し所々に扁平なトゲがある。花期は5〜6月、枝先に集散花序を散房状につく。夏に橙色の集合果となり食べられる。わが国に分布するキイチゴ属の中ではバライチゴRubus illecebrosus、リュウキュウバライチゴに似る。