ユリ科イヌサフラン(Colchicum autumnale)に含まれるアルカロイド。本物質はアミノ基がアセチル化されアミドとなっているので塩基性はないが、生合成的にはアルカロイドである(→アルカロイドについて参照)。2分子のチロシンを前駆体とし、フェネチルテトラヒドロイソキノリン中間体を経て生合成される。抗通風薬として用いられる。細胞分裂において紡錘糸形成を阻害し、結果として細胞分裂は阻害されるが、染色体分裂は阻害しないので倍数の染色体をもつ細胞が形成される。このため大量投与などでは催奇性の危険性が指摘されているが、農薬として倍数体植物をつくるのに用いられている。