化合物和名:ヒペリシン (Hypericin)
骨 格 名:共役ビスアンスロン
生合成経路:酢酸-マロン酸

 オトギリソウ科オトギリソウ(Hypericum erectum)、セイヨウオトギリソウ(Hypericum perforatum subsp. perforatum)ほか同属各種に含まれる暗赤色色素で、共役ジアンスロン骨格を有する。本物質には光増感作用があり、それを含む植物を食した家畜が日光に当たって皮膚炎や浮腫を起こすことが知られている。近年、セイヨウオトギリソウを鬱病治療のサプリメントとして利用されているが、かかる皮膚炎や浮腫のほか、同時投与した薬物の効力が低下するという薬物相互作用が報告されている。これは肝臓において薬物代謝酵素であるP450が誘導され、その結果、同時投与した薬物が分解されるためとされれている。

hypericin