トクサ科イヌドクサ(Equisetum ramosissimum)ほか同属各種に含まれるアルカロイドで、含量は多くない。同属のスギナ(E. arvense)やイヌスギナ(E. palustre)を家畜が食べて下痢、食欲不振などの中毒症状が起きることが知られているが、その原因物質と考えられている。江戸時代のわが国ではイヌドクサを真品のマオウと信じられていた事実があるので(「歴代日本薬局方収載生薬大事典」参照)、麻黄を配合する漢方処方で本種基原品が用いられた可能性は高い。今後、詳細な薬理研究が望まれる。オルニチンに由来するスペルミンとC10ポリケチドから生合成されると考えられる。