キョウチクトウ科ヒメツルニチニチソウ(Vinca minor)の葉に含まれるモノテルペノンインドールアルカロイドであるが、毒性は低いとされる。作用機序は不明であるが、脳血管拡張作用、Ca++/カルモジュリン依存性フォスホジエステラーゼ I 型の選択的阻害が認められており、ビンカミンの誘導体ビンポセチン(Vinpocetine)はハンガリー、ドイツ、ポーランドなど欧州諸国およびわが国で初期の血管性認知症(vascular dementia)や脳血管疾患の治療薬として用いられている。一方、米国では医薬品として認可されていないが、認知・記憶改善や学習促進効果があるとされ、6ヶ月以内の投与期間という制限付きで栄養補助食品として販売されている。近年、ビンポセチン(わが国ではれっきとした医薬品の健康食品への添加は禁止されている。詳細は食薬区分を参照)が検出された健康食品が相次いでいるのは米国における使用状況の影響によると思われる。ツルニチニチソウにも含まれるが、含量は低いので、もっぱらヒメツルニチニチソウをビンカミンの抽出原料とする。