カラダイオウ(タデ科)
Rheum rhabarbarum (Polygonaceae)

karadaiou

→戻る(2010.5.13;帝京大学薬用植物園)

【解説】 シベリア南部〜華北・華中原産とされる大型多年草で、高さ50〜150cmに達する。茎は太く中空で、無毛または節に軟毛がある。多肉質の葉柄をもつ大きな三角卵形、亜卵形、広心状、または狭三角形の葉を根生し、葉柄は丈夫で、通例、葉より短く軟毛で覆われる。葉身は、大型、長さ12〜40cm、幅は10〜30cm、基部は心形状で縁は大きく波うつ。太い茎の上部につく葉は小さく、基部は切形、三角形または三角状卵形。花期4~5月で、葉腋から円錐花序を出して緑白色の小花を密につける。花は2.5~4mm、3~8個束生し、花被片6枚で広がらず、外側の3枚は小さく、内側の3枚は幅広から円形、約2mm。果実は三角卵形状〜長楕円形状で翼は1.5〜2mmで狭い。属名は古代ギリシア語の“ρά” (ra)またはその別名の“ῥῆον” (rhêon)から転じたラテン語の“rha”に由来し、一方、種小名はラテン語の“rha”と“barbarum”からなる複合語である。しばしばRheum rhabarbatumと誤表記されるが(Ylist)、ラテン語の“barbatum”は“bearded”すなわち「あごひげのある」という意であり、語源学的観点から本種に合致しない。すなわち“rhabarbarum”であれば、“barbarum”はBarbaryすなわち古代ローマ人にとって蛮人の住む地域となるから語源学的矛盾はない。和名は唐大黄からだいおうであるが、江戸時代のわが国に伝わった時、真正のダイオウと信じられて“唐”の名を冠した。その後、誤りに気づき、名はそのままに根を和大黄ワダイオウと称し代用とした。ただし、生薬ダイオウと比べると低品質である。かつて学名はR. undulatum L.とされたが、もっぱら食用にするショクヨウダイオウR. rhaponticum L.(別名マルバダイオウ)は本種を栽培馴化して成立した品種、あるいは雑種基原とする見解も根強い。