キバナツノゴマ(ツノゴマ科)
Ibicella lutea (Martyniaceae)

kibanatsunogoma

→戻る(2013.8.2;京都府立植物園)

【解説】 南米原産の1年草で全体に不快な臭いがある。葉はフキに似た心形で、縁に粗い鋸歯があり、長い葉柄がある。花や葉の表面に短い腺毛を生成し、粘着性の分泌物があるため、昆虫は捕縛されると死ぬが、消化して栄養分を吸収する機能はもたないからいわゆる食虫植物の類ではない。夏に花茎を伸ばして総状花序をつけ、釣鐘形をした黄色筒状花を密に咲かせる(→花の拡大画像。和名が示すように、ツノゴマに似ているが、別属に分類され、もっぱら観賞用に栽培される。“ツノ”は果実(→未熟果実の画像の先端につくフック形の突起に由来し、一般にはdevil's悪魔の clawと呼ばれ、乾燥すると堅くなる。属名はラテン語で「アイベックス」(アルプスに住む野生のヤギ)を意味する“Ibex”と“部分”を意味する“Cella”に由来し、果実の突起をヤギの角に見立てた。種小名は“黄色”を意味するラテン語で、本種の鮮やかな花色を表す。