スペアミント(シソ科)
Mentha spicata (Lamiaceae)

spearmint

→戻る(2013.9.7;北海道医療大学薬学部薬用植物園)

【解説】 地中海沿岸原産の多年生草本で、高さ30~100cmになり、茎、葉は無毛から有毛までさまざまであり、強い芳香がある。葉は長さ5〜9cm、幅は1.5〜3cmの長楕円形、葉柄はごく短く対生し、縁に鋸歯があり、先は尖る。茎に4稜ある。花期は6〜8月で、茎先、分枝した枝先に穂状に輪散花序を形成し、ピンクないし白い小さな花を多く密に咲かせる。花冠は筒状で4〜5裂し、各裂片の先はへこみ、長い雄しべが突き出す。萼筒がくとうは脈があって4〜5裂し、萼歯がくしは三角状披針形で先は鋭く尖る。Spearmintスピアミントという名は、葉の先端が尖り、形が槍に似ていることに由来する。『薬物誌』ではEDUOSMOS AGRIOSとあるものに相当し、EDUOSMOS EMEROSたるセイヨウハッカより低く見られた(→セイヨウハッカを参照)。江戸末期の1818年、大槻玄沢・宇田川榛斎の建言により、オランダより取り寄せた薬草60種の中に“Kruise munte”の名が見え、オランダ語のkruizemuntすなわちスペアミントのことで、オランダハッカと呼ばれた(「洋舶盆種移植の記」)。種小名はラテン語で「スパイク波形」を意味し、花穂の形状に由来する。
引用文献:References参照。