ビンロウ(ヤシ科)
Areca catechu (Arecaceae)

太平洋諸島、アジアの熱帯原産の高木。果実を檳榔子ビンロウジと称し、漢方では駆虫の処方に多く配合する。果実の薄い切片を少量の石灰とともにコショウ科キンマの葉に包んだものは太平洋諸島・アジア熱帯で広く刺激性の嗜好品とされ、江戸時代の日本にも輸入されていた。成分としてアレコリンほか類縁アルカロイドを含み、ニコチン様の刺激・興奮作用がある。本草和名は檳榔に阿知あぢ末佐まさの和名をつけたがビロウのことである。源氏物語・枕草子に出てくる檳榔毛びらうげもビロウである。詳細は和漢古典植物名精解第26章第1節を参照。

binrou

→戻る(1983年3月;台湾高雄市郊外)