麻薬取締法により栽培が規制されるケシ種

 麻薬取締法で規制されているケシ類は、植物分類学上ではケシ(Papaver somniferum Linné )アツミゲシ(P. setigerum de Candolle)、オニゲシとケシの交配種といわれるハカマオニゲシ(P. bracteatum Lindley)の3種です。他にケシ(Papaver somniferum)の品種としてイラン種、ボタン咲き種、一貫種、ボスニア種があり、もちろんこれらも規制の対象となります。但し、一部の国(スペインなど)では園芸用の栽培が許可されているところがあり、海外旅行などで無意識のうちに持ち込まれることがあります。実際にアヘンの生産に適しているのは一貫種です。俗にいう未熟なケシ坊主に傷をつけて出てくる乳液を集めて乾燥したものがアヘンです。以下の画像をクリックすると拡大します(ケシ類の形態上の特徴と見分け方)。

cv_iran
イラン種
cv_iranhayazaki
イラン種早咲き
cv_yaezaki
ボタン咲き種
cv_bosnia
ボスニア種
cv_ikkan
一貫種
setigerum
アツミゲシ
bracteatum
ハカマオニゲシ種
keshi_milk_small
ケシ(一貫種)乳液
無許可で栽培できるケシ種

 一般に無許可で栽培できるケシの仲間をここにあげました。この二種のほか、アイスランドポピーと呼称されるP. nudicaule Linnéが庭園などに植栽されます。ヒナゲシ(P. rhoeas Linné)は欧州原産の多年草でいわゆるケシ坊主は大きくなりません。別名をグビジンソウ(虞美人草)といい多くの品種があります。オニゲシ(P. orientale Linné)は西南アジア原産といわれる多年草ですが、栽培規制種のハカマオニゲシとよく似ており、素人の方では区別は困難です(オニゲシとハカマオニゲシの見分け方)。

hinageshi
ヒナゲシ
onigeshi
オニゲシ
 
 
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