欧州~中国西部のユーラシア原産の多年生草本。本種の根及びストロンは欧州で、古来、生薬リコリス(licorice;甘草)として薬用に供せられてきた。一方、漢方処方の7割に配合される生薬甘草は同属種のウラルカンゾウGlycyrrhiza uralensisを基原とする。主成分はオレアナン系サポニンで甘味のあるグリチルリチン(Glycyrrhizin)であり、通例、5~8%含まれる。そのほか、周皮にはイソフラボノイド、フラボノイド系成分が多く含まれ、その主成分はイソフラバン系のグラブリジン(glabridin)であり、強い抗酸化作用、チロシナーゼ阻害作用があり、化粧品添加物として用いられる。わが国では本種は専らグリチルリチン、グラブリジンの製造原料として用いる。