トウアズキ(マメ科)
Abrus precatorius (Fabaceae)

熱帯アジア原産のつる性植物で熱帯各地に野生化している。葉には甘味があり天然甘味料として利用される。かってはグリチルリチンが含まれるとされたが、別の甘味サポニンであることが明らかとなった。種子には猛毒性蛋白であるアブリンが含まれる。アブリンはトウダイグサ科トウゴマの種子に含まれる類似の毒性蛋白リシンの75倍の毒性があるという。中国ではこれを相思子ソウシシと称して駆虫などに用いる。種子はネックレスなど装飾品としても利用される。中国本草における相思子の初見は本草綱目であるが、唐代の医書千金要方に相思子を配合した処方が記載されているから、細々ながら古くから利用されていたようである。因みに正倉院薬物の種々薬帳外品「没食子之属」からもトウアズキの種子が発見されている。

touazuki

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