南米原産の低木であるが、温帯では一年草として栽培される。花期は8~9月。本種の果実を生薬蕃椒(番椒)と称し、皮膚刺激薬トウガラシチンキの原料とするほか、辛味健胃薬として用いる。香辛料としてごく一般的に用いられている。成分として辛味成分カプサイシン(capsaicin)を含む。今日、トウガラシに充てられる漢名として蕃椒(番椒)が一般的であるが、食物本草(1638年、李東垣撰・李時珍訂とありその出自はかなり怪しい)に番椒として初見する。ただし秘伝花鏡(1688年)にも同名があるので、当初は観賞植物とされたようである。そのほか清代中期の本草綱目拾遺(1765年)に辣茄の名で収載されたのがトウガラシに相当し、中国で本格的にトウガラシが利用されるようになった。(→関連ページ)