クズ(マメ科)
Pueraria lobata (Fabaceae)

日本全土の山野のいたるところに普通に生える藤本。全体に毛が密生する。葉は3出複葉で互生し、小葉は浅く2~3裂する。秋の七草の一つ。花期は7~9月。根の周皮を除いたものを生薬葛根カッコンとして解熱、鎮痙を目標とした葛根湯などの漢方処方に配合する。多量に含まれるデンプンは葛粉として和菓子などの原料とする。成分としてプエラリン(puerarin)、ダイズィン(daidzin)などのイソフラボンに富む。名は万葉時の「久受(くず)」に由来するが、「真葛」の名があるようにもともとつる(かずら)を意味する。大和国に国栖くずというクズの産地があり、ここで穫れた葛粉くずこが京都で売られるようになり、本種をクズと称するようになったという。あるいはつるの古語「つづら」が「くづ」を経て「くず」に訛ったか(和漢古典植物名正解594頁)。

kudzu

→戻る(花・実ともに2008.9.6;八王子市南大沢