岐阜県以西の本州、四国の山地の林内や林縁に生える多年草で、日本固有種だが産地は比較的限られている。同属踵ハコベと同様に、茎は這いながら分枝して伸び、上部のみが斜上する。葉は対生して葉柄はごく短く、葉身は広卵形〜円形で先は尖り、基部は円形ないし心形、両面に星状毛や分岐毛が生える。花期は５～６月で、上部の葉腋または茎先に花柄を伸ばし、白花を１個つける。本種に似た同属踵としてサワハコベがある。「本草ほんぞう綱目こうもく啓蒙けいもう」（小野おの蘭山らんざん）の繁縷の条にウシハコベ、オオヤマハコベとともにヤマハコベに関する記述があり、江戸後期には本種は知られていた。