レモングラス(イネ科)
Cymbopogon citrarus (Poaceae)

lemongrass

→戻る(2003.9.13;星薬科大学薬用植物園)

【解説】 インド原産とされる多年草で、熱帯~亜熱帯に広く栽培される。葉は線形で全縁、青緑色で平行脈があり、50cm〜1mほどになる。葉には精油に富み、レモングラス油の製造原料とする。主成分としてシトラール(Citral)が70~80%を占め、種小名にも表されているように、レモンに似た香りがある。最近、ハーブ茶原料としても人気がある。(→主な精油成分関連ページ)レモングラスの漢名は白茅香ビャクボウコウであり、唐代の傍流本草書『本草ほんぞう拾遺しゅうい陳蔵器ちんぞうき、739年)にで初めて収載された。ただし、通説は香茅コウボウを充てるが、本草の記載を誤解しているので、注意を要する。詳細は拙著『続和漢古典植物名精解』の第3章第2節「2-4」を参照。属名は古代ギリシャ語で「ボート」を意味するκύμβη (kymbē)と「ひげ」を意味する“πώγων” (pṓgōn)に由来し、毛の密生した小穂を多くつけた花茎がボート形の葉鞘から突き出ると見立てた。
引用文献:References参照。