ムラサキサルビア(シソ科)
Salvia viridis (Lamiaceae)

murasakisalvia

→戻る(2000.5.26;東京都薬用植物園)

【解説】 欧州南部原産の1年草。葉の形態はヤクヨウサルビアほかアキギリ(Salvia)属の特徴に準じる。花期は6~8月で、上部の苞葉ほうようが鮮やかな紫色で大きく目立ち、紙質で暗色の羽状脈がある。花は小さな2唇形の乳白色だが、上唇が苞葉ほうように隠されて色を帯びる。もっぱら観賞用に栽培されるが、葉に芳香があるので、かってはかぎタバコに用いられた。『薬物誌』にあるORMINON EMERON(附図)は、オニサルビアなど同属の複数種を含む総名と考えられているが、附図はシソ科とはいい難く、ディオスコリデスの記載とも合わない。煎じてワインとともに飲むと催淫薬として作用し、蜂蜜にあぶせば目の角膜の白い斑点を取り除き、水で塗ると浮腫が消すなどとある。属名はオニサルビアの項を参照。種小名はラテン語のvireō に由来し、「旺盛な」「緑の」という意味である。
引用文献:References参照。