ツルニチニチソウ(キョウチクトウ科)
Vinca major (Apocynaceae)

tsurunitinitisou

→戻る(2005.5.5;八王子市南大沢)

【解説】 地中海地方原産の多年生のつる性草本。葉は対生し、茎の基部でほぼ円形、上部は披針形で、長さ3~9cm、幅は2~6cm、光沢のある濃い緑色で革質、明瞭な繊毛状の縁があり、長さ1〜2cmの葉柄にも毛が生える。花期は春〜初夏で、花は両性花で葉腋に青紫色の花を単生する。花は中央部の短い5角柱(ほとんど扁平のものもある)で内部に長い白毛が密生する筒状裂片と、大きく5裂してスクリュー形に平開した径3~5cmの裂片とから構成される(→花の拡大画像。雌しべの柱頭は平たく有毛の突起があり、その周辺を花系が目立たず扁平な黄色の葯からなる5本の雄しべが囲み、花筒の中央に座す。がくは長さ10~17mmで、縁に毛が生える。欧州の民間で降圧、催吐薬などに用いる。インドールアルカロイドを含むが、ニチニチソウに含まれるビンクリスチン、ビンブラスチンは含まれない。ヒメツルニチニチソウとよく似ているが、本種はより大型(故に種小名を“major”という)で匍匐茎から発根しないので植物学的区別は可能であるが、古くは区別されず、『薬物誌』ではヒメツルニチニチソウとともにKLEMATIS(附図)に含められたかもしれない。属名の由来はヒメツルニチニチソウの項を参照。
引用文献:References参照。