カホクザンショウ(ミカン科)
Zanthoxylum bungeanum (Rutaceae)

中国、東ヒマラヤに分布する落葉小高木。茎幹にはトゲがあり、若枝では葉の基部に対状につく。葉は奇数羽状複葉で5-13枚の小葉からなり、葉軸によくがある。小葉は無柄で対生、卵形〜楕円形でまれに槍状となり、縁は鋸歯状でやや表側にそり返る。花序は腋生で、花被片は不規則な2連または1連で黄緑色。果実は直径4~5mmで赤紫色、先端にわずかに突起がある。花期は4〜5月、8~10月に結実する。果皮にリモネン(Limonene)などの精油成分に富み、辛味成分の主体はヒドロキシ-α-サンショオール(Hydroxy-α-sanshool)であり、和産の同属植物サンショウとは辛味や風味の質が異なる。漢名を花椒カショウという。「神農しんのう本草經ほんぞうきょう」では中品に秦椒シンショウ、下品に蜀椒ショクショウが収載されるが、「中薬大辞典」ではいずれも本種(花椒)を充てる。(→関連ページ

kahokuzanshou

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