学名に“西洋”(occidentale)とあるが、南米熱帯に原産する常緑高木。花は円錐ないし散房花序(→画像)を為し、始めは淡緑色、次第に赤く色づく。果実は偽果であり、赤いピーマンあるいはフトモモ科レンブに似た部分は小花柄と花托が発達したものでカシューアップルと呼ばれ、生食のほかジャムやジュースとして利用される。真正果実は熟果の先についた勾玉状の核果(石果)のことで、内部の核仁をカシューナッツと称して食用にする。核仁を包む外果皮・内果皮にアレルギーやかぶれの原因物質であるアナカルド酸やウルシオールが含まれる。英語名のcashewはポルトガル語のcajuに由来するが、もともとは原住民族のTupi語の“acaju”で、“ナッツを生ずるもの”という意味である。わが国では“カシュウナッツ”あるいは“加州ナッツ”と表記されることがあるが、カルフォルニア州とはまったく無関係である。