中国西南部の原産といわれる一年草。黒く成熟した果実を蕎麦キョウバクと称し、製粉して麺として食する。本草における初見は宋代の嘉祐本草であるが、千金要方にもかなり詳細な薬用の記載がある。わが国には縄文時代に伝わっていたともいわれるが、栽培の記録は平安以降である(詳細は2015年生薬学会要旨を参照)。果実はルチンを多く含み、茎葉にはファゴピリンという光増感作用を有する特異なアルカロイドを含む。同属異種にシャクチリソバがある。